少し前に聞いた話である。
友人にマイナンバーカードのポイントの付与期限が
迫っていることを教えられた母が、
役所に行った時のことである。
カウンターで、写真等を提出すると、
係りの中年の女性が、母と写真を何度も見比べながら、
訝しげに、
「この写真は、本当にあなた?この写真ではダメね」
と言ったそうである。
間違いないので、その旨を告げても、
納得いかないようで、
なおも写真と顔を見比べていたそうである。
実は、その写真は、よくホームセンターの外とかに設置してある、証明書用の写真を撮る機械で、数日前、カード用に撮ったものだったので、その事を告げた。
だが、担当の女性はまだ納得がいかないようで、
「少しお待ちください」と言い、
奥の方で上司と思しき男性と相談していたそうである、
しばらく待った後、
結局、その写真で良いという事になり、
カードは無事発行してもらえたのだが、
当時、高齢の母は、これで拒否されたら、
どうすればいいの状態で、結構てんぱったそうである。
この事から察すると、写真と当人の比較による顔認証というのは、あまり当てにならないようにも思える。昨今有名な某紛争国のリーダーは、視察などで度々、いわゆる影武者を使用しているという話を耳にする。自分もそのような映像を見ると、何か違和感を覚えることがある。そしてそれは、当人が笑みを浮かべている映像に多い。
それは何故か、整形等によって、皮膚や骨格を整えても、表情筋までは操作できないからではないだろうか。そして、微笑むとき、口元から頬、目の周囲まで表情筋が働くので、表情筋の配向や量が微妙に異なる他人には、本人と同じ笑みを作り出すことができない訳である。したがって、影武者を必要とするリーダーは、少なくとも対外的には微笑んではならず、常に仏頂面でなくてはならない、という事になるのかもしれない。
さて、顔写真のみで本人確認の精度を上げるには、これまでの真面目(まじめ)顔写真に、(できれば)口を開けて笑っている正面顔か横顔の写真を加えることが有効かもしれない。そうすると、空港の入国審査などで、次々と笑い顔をさせられる人々の列を見ることができるというわけである。