日常小噺9

某深夜スーパーのディスカウントコーナーには、普段あまり手にしたことのない食品が置いてあることがある。先日も同コーナーでジャックフルーツの缶詰めが積んであるのを見かけた。ジャックフルーツ(パラミツ)といえば、結構好きな果物で、昔、熟した果実を含む飲料を好んで飲んでいたことがある。その製品もいつしか販売されなくなり、最近は口にすることはなかった。

ならば、缶詰めもシロップ漬けか何かで、それなりにいけるだろうと思い手にとって取ってみると、グリーンジャックフルーツ塩水漬けと表示してある。甘いものを塩水漬けとはよくわからない。

近くのスタッフに、パイン缶や桃缶のような、所謂フルーツ缶のようなものか聞いてみると、少し何処かに連絡を取った後、結局わからないという返事であった。山積みされているので、直ぐに売り切れることはないだろうと思い、自宅のネットで少し調べてみることにした。

 

(ジャックフルーツ)

同様のジャックフルーツの缶詰は、結構色んな所から販売されており(どれもラベルが似ている)、要するに青パパイヤと同様で、未熟果を野菜のように食すもののようであった。料理ブログには、サラダの具にして食べても良いし、食感が似ているのか、衣を着けてカツにしてもよいということであった。

ということで、翌日一つ購入してみた。厚さ1センチ程のカットを口に入れてみると、ほのかな香りと薄い酸味と塩味がし、瞬間、今まで食べた何かに似ていると感じた。すぐには思い出せなかったが、記憶を辿っていくと、それはアーティチョークであった。アーティチョークは、柔らかいガクを残した花托の部分を塩水やオイルの瓶詰めで販売していることがある。それに食感も味も似ていると感じたわけである。

(アーティチョーク、上図本図ともにWikipedia Eng. より)

アーティチョークと言えば、数年前まで某大手スーパーにエンダイブチコリー(これらの野菜も結構好きである)とともに置いてあったことがある。当然売れないわけで、消費期限が近づき、その緑紫色の擬宝珠のような本体が、お値引き台にのるようになると、ここぞとばかりに購入するわけである。

食べ方はいたってシンプルで、水で汚れを取った後、そのまま鍋で塩茹でにし、火が通ったら、ガクを引き抜き、肉厚な基部を歯で刮ぐようして食べる。ガクがすべて終わったら、残った花托の部分をカットし、柔らかい部分を味わうわけである。そのスーパーに寄る時は、今日はアーティチョークが出てるかな、などと期待していたが、販売不振のせいか、ある時から入荷しなくなってしまった。

ジャックフルーツからアーティチョークに話がずれてしまったが、結局、ジャックフルーツ缶は自分の中ではアリということになり、次にお店に行った時は何缶か購入する予定となった。しかし、後日お店に行くと、あれだけ出だしが鈍かったにも関わらず、すでに売り切れ状態であった。今度、入荷した時は、炊込みご飯かラーメンの具にでもしようと思っている。