2023-01-01から1年間の記事一覧

組合せ (82)

以前、(歩く (23))で、寮生活時代にイベントの炊き出しで作った「フルーツおにぎり」の話を書いた。同おにぎりの話はなかなか好評だったので、今回はその流れで、いつもはその食べ物にあまり使わない食材を用いた食べ物の話である。何処かの回で触れている物…

本人 (81)

少し前に聞いた話である。 友人にマイナンバーカードのポイントの付与期限が 迫っていることを教えられた母が、 役所に行った時のことである。 カウンターで、写真等を提出すると、 係りの中年の女性が、母と写真を何度も見比べながら、 訝しげに、 「この写…

段階 (80)

姿(79)に、来るべき地球外知的生命体と地球人類の接触の問題について少し触れた。その続きである。 さて、ボイジャー或いはパイオニアのメッセージを受け取り、特異点を跳躍するような恐るべき技術により、地球近傍に到達した来訪者は、今しばらく時間をかけ…

日常小噺10

もうそろそろ家を出ないと間に合わないよ、 と母がせかせる、 そんな事言ったって、 スーツはこれでいいのだろうか、 と言っても選択枝が豊富にあるわけではない、 あまり着たことがない、 細かい千鳥格子のスーツを選ぶ、 白のYシャツを着て、ズボンを履く…

姿 (79)

「幼年期の終り」は、アーサー・C・クラークの長編SFである。SF好きなら、一度は耳にした事があるのではないだろうか。内容を説明する必要もないぐらいであるが、中盤までの概要は以下のようである。 冷戦時代のとある日、大都市上空に、巨大な宇宙船が飛来…

甘味2-2 (78)

話は少し横であるが、日本人は、欧米人と比べてざっくり十年ほど寿命が長い。寿命には、人種としての遺伝的素因やライフスタイル、気候や環境など、様々な要素が関係してくるわけであるが、食生活の違いも大きな部分を占めていると考えることができる。欧米…

甘味2-1 (77)

以前、甘味のことを書いた(甘味 (8))。今回はその第二段である。とは言ってもどのように話を進めたら良いか、そこで、ネットにしばしばある 〜で打線を組んだ、という形式にのっとり、それぞれの印象や思い出について、綴ってみたい。 原則として、たくさん…

子孫4 (76)

『法華経』サンスクリット本の観世音菩薩普門品によると、極楽浄土では性交が行われない代わりに、蓮華の胎に子供が宿って誕生するという。 これは、これまでに述べた科学的手法によって、交尾を経ず子孫が形成される未来的状況を暗示しているようにも思われ…

日常小噺9

某深夜スーパーのディスカウントコーナーには、普段あまり手にしたことのない食品が置いてあることがある。先日も同コーナーでジャックフルーツの缶詰めが積んであるのを見かけた。ジャックフルーツ(パラミツ)といえば、結構好きな果物で、昔、熟した果実を…

未来2 (75)

1960年代、1970年代は、欧米SF映画の黄金期である。そこには、以前書いた「猿の惑星」シリーズも勿論含まれるわけであるが、他にも注目すべき作品が幾つかある。今回はその流れから2作品ほど印象を述べてみたい。 荒廃した陸上ではもはや穀物生産や畜産はで…

日常小噺8

以前、東北の地方の村に住んでいたことがある。 その時、何かの集まりで宴会に参加した、 宴会は村の公民館のような所で行われ、 和室の大広間に二、三十人ほど集まっていた、 宴会では、持ち寄った料理やツマミ、 それに、建物には立派な調理室があるので、…