OP&ED2 (61)

 以前、アニメのOPとEDの話を書いた(OP&ED(4))。今回はその第二弾である。あれから多くのアニメを見てきたが、気になるOPやEDが幾つかあった。今季放送の物もある。まずはEDから、

  1つ目は、少し前の作品であるが、「Another」のEDである。本作は、主人公が転入した学校で繰り広げられる惨劇を描いたホラーであるが、「anamnesis:歌, Annabel」という曲が流れるエンディングは、内容を微塵も感じさせいない平和で穏やかなものである。血飛び散る本編の相対にある、煩悩から解き放たれた世界、或いはそれを飛び越えた悟りの境地のようにも見えるが、単に凄惨なテイストを中和する、口直しの役目をしている可能性もある。何れにしても、このEDあってのこの作品であり、印象に残るものであった。

  2つ目は、「CAROLE & TUESDAY」のEDである。このEDについては、「EDと火星(59)」冒頭に言及されているので、そちらを参照されたい。

  3つ目は、本年の春期に放映された「シャドーハウス」のEDである。本作品は、寄生性の妖精モーフが人格を得てシャドーとなり、生き人形たるヒトと一体化する行程が営まれる、異形の貴族が住まう館の話である。EDに流れる「ないない:歌, ReoNa」という曲は、出だしの歌詞やリズムが異色で、各シャドーと生き人形の日常の風景が写し出され、終盤に至っては、主人公である、シャドーの異端児ケイトとその生き人形エミリコが、螺旋階段を昇る或いは下る様子が左右に対比されるわけである(二人は階段の上と下にそれぞれいるので、出会うことはないわけであるが)。産業革命後の西欧の秘められた地域の奇譚のようであり、その特殊性を示唆するような印象的なエンディングであった。

  次はOPである。OPで気になったのは、今期放送の2作品である。1つ目は「異世界食堂2」である。OPでは「おんなじキモチ:安野希世乃」という曲に合わせて、食堂「ねこや」に集う異世界の面々が紹介される。そしてサビでは、彼ら、彼女らが、「パクッ、パクッ、パクッ〜」と、お目当ての食べ物を満面の笑みで食する訳である。なんてことないOPであるが、そこには幸せな時間が流れている。美味しい物の前では、竜人も獅子男もヒトもエルフも関係ないということであろう。

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  2つ目は、「王様ランキング」である。OP では、KING GNUによる「BOY」という曲が流れる。サビだけでできたようなこの曲は、アニメのOPとして一度聞いたら心に残るものがある。曲は、生まれながらにしてハンディキャップを負った王子ボッジ(ドロロのような背景があるわけである)が、相棒のカゲと共に胸を張って生きる姿を、リリシズム溢れるモチーフで歌い上げており、アニメの内容に合っているわけである。

  さて、こうしてアニメのOPとEDを多く見てくると、アニメの印象に、OP、ED(作中曲もであるが)がいかに密接に関係しているかという事がわかる。漫画やコミックなど紙媒体を原作とする場合、その段階における、面白い、面白く無い等の評価は、音の無い世界(もちろん効果音の表記はあるが)で下される事になるが、アニメ化した場合、真の音楽的要素が加わり、時折り、紙の時とは別物になる。

  そしてその印象を操作する重要な部分がOPとEDである。OPにより作品の世界に先入観を持ち(作品の内容とあまり関係のない雰囲気により、ギャップを与え印象付けるというのもあるが)、EDにより、その世界観を強化したり、本編の激しさをクーリングして余韻を与えたりする。すなわち、アニメは、OP、EDと合わせて作品を作り上げているわけで、おそらくOPやEDを変えれば、シリアスなものを明るい雰囲気に、場合によっては、コメディやドタバタっぽいものに変えることも可能である。そこで、アニメは音楽に関わる部分が重要という考えを推し進めると、OP、EDの曲を初めに創造し(或いは選択し)、そこに作品として内容を付けていくという創作の手法も将来的には有りかもしれないと思ったりするわけである。

さて、今後とも、多くのアニメを見て、印象に残るOP、EDが有れば、報告したいと思う。アニメではないが、昔、学生の頃、ヤコペッティの「世界残酷物語」という映画を見たことがあった。内容はもう覚えていないが、その背景に流れていた「モア」という曲はよく覚えており、今でも好きな曲の1つである。ひょっとして、アニメを記憶に残すのは内容よりもOP、EDに流れていた曲による、ということもあるのかもしれない。

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