日常小噺4

最近、国道沿いに一軒のスーパーができた。以前そこを通った時は、全国展開する大型の薬局であったような気もするが、よく覚えていない。薬局であった頃は一度も寄ったことなどなかったが、先日、時間があった時、ふと店内に入ってみた。できたばかりなので、照明に照らされた床も壁も陳列も何もかもピカピカで気持ちが良いのはあたり前であるが、店を出た時に気付いたのはその立地の良さである。

店舗の前には国道まで広い駐車場があり、国道を挟んだ向かいには住宅地が続いている。ちょうど店舗の向かい辺りやその両翼には、高い建物が無く開けており、住宅地の向こうの山並みがよく見える。そして、自分が行ったのは夕方であったが、買い物を終え、暖房の効いた店内から出て、顔面に冷たい空気の洗礼を受けると、同時に暗緑色の稜線と茜色に染まった高い空が迫ってきたのである。美しさに一瞬ひるむわけであるが、買い物に来て何か特別なサービスを受けた感じである。

これからは、天気の良い夕方、そば通る事があったら、何も買う予定がなくても、寄ろうかななどと思う、今日この頃である。