戦艦 (10)

  SFアニメにおいて、MSやパワードスーツと同様、興味深いのが戦艦である。今回は、これまで見たアニメの中で、自分が、かっこいい、美しい、デザインが優れていると思った戦艦を3つ紹介してみたい。

  第1は、「ゼーガペイン」に出てくるオケアノス号である。SFアニメに登場する戦艦は、一般に実際の潜水艦や戦艦をミックスしてデフォルメしたようなデザインになることが多い。「ゼーガペイン」は、敵対者により量子コンピューターの仮想空間に追いやられた人々の一人である主人公が、現実世界の肉体を取り戻す話であるが、彼の属するセレブラムの飛空母艦であるオケアノス号は、そのような連携を断ち切った奇抜な外見をしている。

  斜め前から見ると、甲冑魚のようなエイのような容姿であり、真上から見ると、重力制御を行う円形のドライブユニットらしき構造が、中央に2つ、エイのような前部の両端に1つづつ付いている。そして敢えて例えるならば、ロッキードのF117ナイトホークを2機縦に繋げたような外形をしている。しかしF117の全長が12mで倍としても24mほどであるのに対して、オケアノス号は全長500mという巨大艦である。一応、ガスパー砲なるレールガンを装備しているが、戦艦として目立った活躍は無かったような気がする。しかし、初めて見たとき、なんと優れたデザインの戦艦であろうかと思ったのである。

  第2は、「ガラスの艦隊」に出てくるアイオロス号である。作中、旧王家の紋章を掲げたこの戦艦は、船体中央の両側に収納式の主砲を4門ずつ持ち、本体は、高速遊泳するヤリイカのような形状であるが、最大の特徴は、美しいガラスの装甲で覆われていることである。この装甲は、旧王家のみが製造法を知る特殊なガラスで構成されており、砲弾ぐらいでは傷を付けることさえ困難な強度を持つという。現実世界からの関係でいけば、尾部からの脆弱性を排除した、「ルパートの滴」的ガラスということであろうか。

  アニメでは両側の主砲を収納すると、戦艦前半部を覆うガラス装甲がスライドして主砲部を覆い、後半部と合体して、船体はほぼ完全にガラス装甲で覆われることになる。そして、アイオロス号、最大の武器であり、切り札である体当たり攻撃が行えるようになる。艦の先端には、ガラス装甲で覆われたラム戦用の衝角まで付いており、アイオロス号は、体当たりするというよりも、弾丸のように突き破ることにより、相手戦艦を破壊するわけである。アイオロス号は、今まで見たアニメの戦艦の中で最も美しいものの1つである。

  第3は、「スタートレック」に出てくるロミュランのデイダリデックス級戦艦ウォーバードである。アニメではないが、SFなので細かいことはこの際無視することにする。この緑の巨艦が遮蔽を解いて、宇宙の暗闇から姿を現したのを初めて見た時、その異様さにゾクッとしたものである。猛禽類というよりも、ハシビロコウか、頭でっかちなフラミンゴが飛んでるような形状のこの戦艦は、ロミュランの主力艦であり、エンタープライズ号同様、強力な武装を保持している。

  鳥類の頭部のような船首に指揮系統があることは容易に想像がつくので、戦闘の際はそこばかり狙い撃ちされそうであるが、全体をシールドで覆っているので問題はないのかもしれない。そして、形状の異様さと共に特筆すべきはその巨大さである。全長は1kmほどあり、仮にウォーバードが、200m四方ほどの東京ドームの上に降下した場合、鳥が巣で卵を温めているように見えるのではないだろうか。移民船や播種船にはもっと大きなものが存在するが、戦艦としてはかなり大きい部類に入るのではないだろうか。

  さて、以上であるが、今後も興味深い戦艦やスペースシップを見つけたら、随時、紹介していくつもりである。