似ている (11)

  今回はアニメを見ていて、キャラや人間関係が似ているなと思ったこと。少し古いが、最近、COWBOY BEBOPを何年かぶりに見ていて、これはルパン三世一家の活動の舞台を宇宙に持って行って、大泥棒を賞金稼ぎにしたものではないかと感じたしだい。

  COWBOYのスパイクは、細身でハンサムで聡明、運動神経抜群、銃の扱いは玄人、ルパン三世も同様、前者が腕っこきの賞金稼ぎで、後者が大泥棒という違いがあるにせよである。そしてこの関係性というか雰囲気を強調しているのが、彼を取り巻く人物である。スパイクの相棒であるジェットは、状況を冷静に判断し、感情に走りやすい主人公を諭しつつ、愚痴を言いながらも、最後まで主人公を裏切らない、落ち着いたキャラである。これは次元大介に通ずるものがある。

  そしてフェイに至っては、峰不二子そのものではないか。グループの一員として、スパイクやジェットに協力するように見えて、結局、お金と自分が一番大事、事と次第によっては、女の武器を表に出して、奥底には、主人公に対する愛情か義理の切れ端のようなものが垣間見える。峰不二子も同じようなものである。スパイク、ジェット、フェイの人格、関係性が、ルパン三世次元大介峰不二子のそれと似ていると感じるわけである。

  しかし違いがあるのも事実である。抜きんでた専門性があるということで、天才ハッカーエドは、居合斬りの五エ門にギリ対応づけられるかもしれないが、むしろ、ビシャスが、ルパンと邂逅する前の五エ門に似ている気もする。銭形警部にいたっては、ジェットが昔警察組織に所属していた事ぐらいで、対応する人物が想定できないわけであるが。

  この文章を書いてる時に、海外大手フォーラムRedditのアニメ板に、渡辺信一郎氏が降臨し、外国人ファンの質問に答えたという記事を偶然発見した。読んでみると、「自分の作品以外の漫画やアニメの中では何が一番好きですか?」という問いに対し、「ルパン三世TVシリーズ1期」と答えている。自分の抱いていた印象は、案外、的を得ているのかもしれない。