バランス (7)

  自分はSF系アニメが好きである。そこにしばしば登場するのが、主人公らが搭乗する人型ロボットや可変戦闘機、パワードスーツの類いである。一連のガンダムシリーズモビルスーツマクロス系のバルキリーをはじめとして、アニメには多種多様の機体が登場する。それらは宇宙空間や大気中で、縦横無尽に移動したと思えば、静止してミサイルやビームを放ち、はたまた直接、対手と格闘するなど、獅子奮迅の活躍を見せる。それはそれでなかなか格好いいのであるが、見ていていつも感じる事がある。それは機体のバランスである。

  機体の多くは、胴などの中心部から、手足などの末端部に向かって大きくなる、末端肥大的な構造をしている。特に脚部は顕著で、膝から下は、しばしばブーストを内蔵するせいか極端にごっついデザインである。また、両腕に関しても、上腕から前腕に向かって肥大化し先端には大きな拳がついている。中には前腕に巨大なビーム砲やキャノン砲を装着するものもある。

  確かにこういう構造にした方が、迫力があって強く見え、作者の意匠を否定する気など毛頭ない。ただ、このような機体の遠隔に多くの重量があり、その重量を胴体上下端のヒンジや接合部を介して、中央胴体に連結する構造で戦闘を続けると、ヒンジや接合部そして胴体中央に過大な負担がかかり、機体が崩壊し安いのではないかということである。すなわち、機体のデザインと耐久性の間に、そこはかとない非整合性を感じるわけである。

  ガンダムシリーズモビルスーツ、「天空のエスカフローネ」のガイメリフ、コードギアスシリーズのナイトメアフレーム、「鉄のラインバレル」のマキナ、「超重神グラヴィオン」のグランカイザー、「革命機ヴァルヴレイヴ」や「蒼穹のファフナー」の機体など特に、そのように感じることが多い。一方、「新世紀エヴァンゲリオン」の機体は、スリムでヒトの体型に近く、あまたある機体の中では、接合部に負担がかかりにくい構造に見える。さらに、「翠星のガルガンティア」のチェインバーなどは、頭が大きく縄文ビーナスや遮光器土偶のような形をしており、末端肥大型にもスリム型にも属さず、それでいて機能美を感じさせる構造である。

  では逆に、ヒンジや接合部やウェストに負担のかかりにくい機体とは、どのようなものであろうか。胴体から手足が出ていないものが最も妥当であるが、それでは人型で無くなってしまう。感覚的には、昔の鉄人28号のように、寸胴に細い手足を持った構造が近いように思われる。今後、どのような機体が登場してくるのか、SF系アニメ好きにとっては、楽しみなところである。

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