火星-居住3 (63)

(火星-居住2 (62)より) ユニットは、最初の基地の構築後、必要に応じて補給ミッションにより追加され、ハブから分枝する枝のような構造に連結されたり、或いは計画に沿って別の構造に連結されうる(図1. step1、2)。ユニットの幾つかは、水回収、酸素発生、二…

火星-居住2 (62)

(火星 -居住 (60)より) そして、この原子力電池は、火星由来の水の利用や、惑星の環境改変の初段としても、重要な役目を果たす可能性がある。 元々、液体の水が拠点基地近傍にあり、そのような水を基地に引くのが最も簡単な方法であるが、科学観測によれば、…

OP&ED2 (61)

以前、アニメのOPとEDの話を書いた(OP&ED(4))。今回はその第二弾である。あれから多くのアニメを見てきたが、気になるOPやEDが幾つかあった。今季放送の物もある。まずはEDから、 1つ目は、少し前の作品であるが、「Another」のEDである。本作は、主人公が…

日常小噺4

最近、国道沿いに一軒のスーパーができた。以前そこを通った時は、全国展開する大型の薬局であったような気もするが、よく覚えていない。薬局であった頃は一度も寄ったことなどなかったが、先日、時間があった時、ふと店内に入ってみた。できたばかりなので…

火星-居住 (60)

(EDと火星(59)より続く) 航行の危険が軽減され、到達時間のさらなる短縮化が計られた結果、火星に数人の人員が降り立ち、科学観測やサンプリングを行い、地球に帰還するというミッション自体は、それ程、遠くない未来に実現するように思われる。一方、火星に…

EDと火星 (59)

最近、気になったアニメのEDがある。少し前の作品であるが、一昨年放映された「CAROLE & TUESDAY」のEDである。 火星に移住を果たした人類が築いた未来社会、その社会において、ミュージシャンを目指す2人の若き女性、その女性を取り囲む個性的な面々、それ…

眼 (58)

昔、滞在していた施設に、私大の眼科の医師が出入りしていた。彼とは、よくお勧めの喫茶店で昼食をとることがあり、その時に聞いた経験譚である。 外傷や感染症等で、角膜に重篤な異常がもたらされた時、角膜移植は重要な治療手段となるが、その時に使用され…

子孫3 (57)

今回は、子孫に関する第三弾である。 前回(子孫2 (54))、前々回(子孫 (46))と、将来、人類は、体外受精と人工子宮の技術を用いて、自らが保存した配偶子(精子、卵細胞) を用いて、子作りを行うようになるという考えを述べた。 それを読まれた方は、「昨今流…

日常小噺3

今年の夏はセミがいつもと異なる。自分の居住地では、例年、ニイニイゼミ、アブラゼミと始まって、まもなく終了し、8月の下旬にはツクツクホウシというパターンなのだが、7月中から、ニイニイゼミ、アブラゼミに加えて、ミンミンゼミ、そして時折、ヒグラシ…

移動式 (56)

先日、食料の買い出しに出かけた時のことである。帰り道で、左方を確認していると、助手席の窓の上の方に、枯れた小さな葉のようなものが付いているのに気づいた。帰宅し、車を降りて、助手席側に廻って見てみると、それは窓に付着した葉っぱではなく、ドア…

個性 (55)

西日本の人とって、ホヤはあまり馴染みがない海産物であるかもしれない。東北の太平洋側で主に養殖されており、地元の人は、毎年、この海のパイナップルを心待ちにしている。自分はと言えば、少々苦手である。初めて、刺身を口にした時、海産物なのに生臭み…

子孫2 (54)

「子孫 (46)」において、 一方、有効な手立てを打てず、少子化の傾向がこのまま続き、人口問題がより切迫し、以前「任務? (22)」に書いた状況を迎えているかもしれない未来、価値観や倫理観の転換を迫る、科学的な方法が取られる可能性もある。 体外受精はヒ…

山椒 (53)

前回、(解放(52))で述べたように、西日本の川では、チュウゴクオオサンショウウオ (Andrias davidianus)と在来のオオサンショウウオ(Andrias japonicas)の交雑が進み、オオサンショウウオの純系が風前の灯火の状態にあるという。各地の主要な動物園や水族館…

解放 (52)

壊滅的な巨大地震が起き、無法地帯(警察や自衛隊などが機能していないということであろうか)と化した関東において、上野動物園かどうかはわからぬが、動物園の猛獣の飼育担当であった男が、園で飼育されていたトラやライオン等を解放し、それら猛獣の威をか…

主役 (51)

今回は、本来、主役でないものが主役になるという話である。 自分が少しだけ滞在した大学の、もう引退された先生の話である。彼は若い頃、植物ホルモンのオーキシンの研究をしていた。当時はまだ純度の高い標品を安価に手に入れることができず、自分で精製し…

日常小噺2

よく、台所で湯を沸かし、やかんを部屋に持ってきて、コーヒーや紅茶などをいれたりする。使い残して冷えた水はもったいないので、部屋にある植物の鉢に補給したりする。 先日、いつもの如く夜中にお茶が飲みたくなり、やかんに残っていた水を、しばらく水を…

刀 (50)

今回は日本刀の話である。自分は昔から日本刀に興味を持っており、中坊の頃は、日本刀の特徴である刃文の事が気になり、釘を打ち延ばして刀型にし、泥で刃文状の形を作り、台所のガスで焼いて、流しの水で焼き入れのような操作をしたことがある。その時のミ…

日常小噺1

ネット記事のタイトル様式についての感想 〜 で打線くんだ 。 特定の性質に着目して、関連する人物や事物の中で打線を組んだもの。歴史上の人物が出てくる打線などは、それまで知らなかった人物が出て来て、なぜその人物がその打順にいるのか等の背景も加わ…

変身 (49)

以前、怪奇小説の話を書いた(願望(38))。欧米には怪奇小説の短編の名作が多く、ウィリアム・ホープ・ホジスン(William Hope Hodgson)の「夜の声」(The Voice in the Night)も好きな作品の1つである。ご存知の方もいると思うが、この短編はあの昭和期の怪奇…

橙色 (48)

キノコ採集は、軽く雨が降った日の翌日、晴れの日に行くことが多い。森や林に入るとまだ地面が湿っており、植物や腐葉土の香りを乗せた湿度のある空気が流れ、見上げれば、木々の合間から青空が見える、そのような日は気分も乗るものである。しかし、そのよ…

進化 (47)

以前、住まい近くに住むキジ猫の話をした(猫 (2))。相変わらず隣の女性との関係は続いている様であるが、最近その猫の行動について様々な事がわかってきた。ある日、他の住居の前で、件の猫が一段と柔らかい声を出し、開いた玄関から中に入って行くのを見た…

子孫 (46)

少子化は社会や民族の維持、継続という点で切実な問題である。近年、自治体や政府はこの問題に対処する様々な手を打っているようであるが、今一つ望むべき結果を得ていないようにも思われる。今回は、ハードなものからソフトなものまで、この問題の対処法に…

香る (45)

大学時代、中学生の家庭教師をしていたことがある。新年度から週二回の一年契約であった。中学生の家は郊外の山際にあり、交通の便が悪いため、毎回、家の者が市のバスセンターまで車で迎えに来ていた。30分程かけて家に着くと、学生がいる二階の部屋に上が…

お知らせ

日頃、当ブログを閲覧頂きありがとうございます。 ブログを開始した昨年は、アクセス数も少なく、備忘録や日記のような位置付けで、淡々と文章を挙げていましたが、いつの間にか、大量のアクセスや連絡を頂くようになり、当人も驚いている次第です。 なるべ…

拳 (44)

動画投稿サイトのお薦めに、よく「北斗の拳」関係が選ばれていることがある。確かに以前、偶然見つけた同作品の纏めのような映像を、幾つか懐かしく見ていたので、心当たりはあるわけである。それらを見ていると、北斗神拳や数々の流派、そして数多の秘技、…

伊勢 (43)

江戸時代には、伊勢参りが流行り、街道沿いの旅籠は大層の賑わいを見せたという。そうなると問題になるのが旅籠における食事の準備である。当時、焼き魚は夕餉の一品として重要であったと思われるが、そのような繁忙時は、数匹分というわけにはいかず、何十…

曲 (42)

一息入れたい時は、ジャコ・パストリアス(Jaco Pastorius)の「Three Views of a Secret」をよく聴く。一瞬、芥川龍之介の「藪の中」を想起させるこの曲を、初めて聴いたのは、アルバム「The Birthday Concert」(ちなみに自分が購入した2番目のCDアルバムであ…

SF (41)

ジェイムズ. P. ホーガン(James Patrick Hogan)は、好きなSF作家の一人である。大学時代、書店で初めて「星を継ぐもの(Inherit the Stars)」を手に取り、その後、「ガニメデの優しい巨人(The Gentle Giants of Ganymede)」、「巨人たちの星(Giants' Sta…

箱 (40)

物心ついた頃には、家の中に幾つかの昆虫の標本箱があった。父と兄の採集行に、自分はいつも泣きながらついて行ったそうであるが、あまり覚えていない。父は亡くなり、兄はもはや採集を行ってはいないが、標本箱は残っている。 標本箱の中で、印象に残ってい…

青緑 (39)

夏の日のことである。大学の食堂で昼食を済ませ、建物から少し離れた所で、ヤマモモの実はもう終わったかな などと思いながら林を見ていると、目の前を、青いキラメキが走った。速くは無いのだが、何だろうと思い追っていくと、1つ2つとキラメキが多くなり…